今年も、神奈川県・赤レンガ地区野外特設会場にて、2018年5月26日(土)、27日(日)の2日間にわたり開催される「GREENROOM FESTIVAL'18」。

ここ最近はさらに人気も高まり、チケットもソールドアウトする人気都市型フェスとなっています。今回は「GREENROOM FESTIVAL」を主催する釜萢(かまやち)直起氏(株式会社グリーンルーム代表)に、これまでの歴史から人気の秘訣、さらに今年の見どころまでを語ってもらいました。これまで参加したことがある方も、今年参加を予定している方もこれを読んで今年の「GREENROOM FESTIVAL」に備えましょう!

「GREENROOM FESTIVAL」のコンセプトと歴史

写真: 釜萢直起氏

―まずは「GREENROOM FESTIVAL」のコンセプトを教えてもらえますか?

サーフカルチャーやビーチカルチャーをルーツにしたカルチャーフェスティバルで、「MUSIC」「ART」「FILM」という3つのカテゴリーから構成されています。今はそこに「MARKET」やいろんなエリアを増殖中という状態ですね。あと全体のコンセプトとしては「Save The Beach, Save The Ocean」という言葉を掲げて、フェスの前にアーティストのライブが無料で楽しめる「BEACH CLEAN & LIVE」ビーチクリーンライブをやったり、ゴミ箱の設置をしたり、海とビーチを守る活動をしています。

―2005年に横浜大さん橋ホールで初開催されましたが、フェスを始めるきっかけは何だったのですか?

2004年にカルフォルニアのラグーナビーチで「Moonshine Festival」というフェスを見たことです。ヘッドライナーがJack Johnson(ハワイ出身のシンガーソングライター)で、オーガナイザーはジャックのマネージャーのエメット(・マロイ)と、フィルマー兼サーファーのクリス・マロイ、現地のアートギャラリー「The Surf Gallery」のオーナーであるウィル(・ペナーツ)の3人ぐらいでした。これを見た瞬間にすごく心を動かされて、自分も日本でやりたいなと思ったんです。

日本のフェスというのは、なんとなくコンサート的なものだと当時は思っていました。でも「Moonshine Festival」の場合、ライブエリアもあって映画のエリアもあってアートエリアもあって、自分が思っていた"フェス"とは違う形のものがそこにあって。運良くオーガナイザーのチームも紹介してもらえたので、彼らに相談したら「日本でやろうぜ」ということになり、動き出した矢先に、あちらが資金難で潰れてしまって。でも自分的にはすでに火は灯っていたので、見よう見まねで2005年2月に開催したのが最初です。

―2009年に東京スカパラダイスオーケストラが出演したときは、大さん橋全体が揺れるほどの盛り上がりだったそうですね。

警報機がビンビン鳴って、ガラスがピキピキって割れちゃいそうな状態で、会場的に限界でした(笑)。

―14年の歴史の中で、1つのターニングポイントはそこなんですか。

うん、赤レンガに移ったのは一番大きいです。それを境にコンテンツの幅もすごく広がったし、作り方もだいぶ変わりました。

「GREENROOM FESTIVAL」のポリシー

写真: GREENROOM FESTIVAL

―フェスを運営する上のポリシーはありますか?

基本的に「感動体験を与える」「笑顔を持って帰ってもらう」。あとは「前の年を越える」こと。初年度600人くらいから始まって、毎年「前の年を越えていこう」と邁進してきた14年間だったかなと思います。

―実際に14年間、動員は伸び続けていますか?

そうですね、おかげさまで。動員もそうですけど、クオリティとしても前の年を越えようとは話していて。アーティストのブッキングにしても、アートとか出店とか他のコンテンツにしても、シンプルに手を抜かずに良いものを提供してきたのがよかったのかなと。

―素朴な疑問なのですが、開催時期が5月末なのはなぜですか?

夏前の高揚感がすごく好きで、夏の始まりを感じてもらいたいって考えた時、一番初めに浮かんだのが5月のゴールデンウィーク後だったんですよね。ビーチカルチャーだから夏で勝負するって意識はなかったですね。今もここがベストだったなって思えます。

―実際に快晴の年が多くて「夏が始まったな!」と感じさせてもらってます。また、リピーターが多いフェスでもありますよね。早割ならぬ"波割"チケットは2月1日の発売から2週間も経たずに完売しました。

プレイガイドは2日で売り切れて、「GREENROOM GALLERY」(GREENROOMが手掛けるセレクトショップ)に置いている店舗分が12日で売り切れました。やっぱり僕らはアートギャラリーをやりながら普段からアーティストの活動自体も応援していくっていう意味で、店舗に足を運んでもらうことも大事にしていて。店舗でチケットを買った方にはアートカードをプレゼントしてるんです。

「GREENROOM FESTIVAL」人気の秘訣は?

写真: 釜萢直起氏

―「GREENROOM FESTIVAL」ならではの魅力はどういうところだと思いますか?

やっぱり海の前でやっているっていうのは1つの特徴ですね。だから船がステージの1つとして出せているし、「Save The Beach, Save The Ocean」をコンセプトにしている以上、海風を感じながら楽しんでもらうっていうのもすごく重要だし。あとは横浜っていう、東京からの距離感は魅力なんじゃないかなと思っていて。ストレスがないようにしたいので、近さだったり、無料エリアがある自由感は保っていたいんですね。

―赤レンガ広場を使った無料エリアの充実度はすごいですよね。アートコンテナを模したショップ群で買い物したり、ヨガに参加したり、ギャラリースペースで絵を見たり、昨年からついに無料エリアにライブステージもできて、1日楽しめてしまうくらいです。

無料エリアにいても有料エリアのライブが少し見えたり聴けたりしちゃうけど、うちは閉じない方向性でいたい。やっぱり海は開かれているべきっていうか、本来海岸では老若男女遊べるので。有料エリアは黒幕で囲って見せないみたいな考え方はないですね。

写真: GREENROOM FESTIVAL

―「インスタ映え」なんて言葉もない頃から、フォトジェニックなデコレーションを施しているのも魅力ではないでしょうか?

雰囲気作りは初年度からすごく気を遣ってますね。Candle JUNEも、ツリーハウスクリエイターの小林崇さんも、もう10年以上の付き合い。デコレーションってなくてもイベントは成り立つけど、ただのトラスだと色気がなさすぎるし、そういうディテールが一番重要というかお酒がおいしくなる要素だと思うんですよね。

―ホントにそうですね。また、船に乗り込んでクルーズしながらDJが楽しめるPARADISE SHIPステージがあるのも「GREENROOM FESTIVAL」の強みで、これはアメリカの船上フェスにヒントを得たとか。

フロリダ~マイアミからカンクンまで行く「ジャムシップ」とか、アメリカはけっこうクルージングフェスが多いんです。ジャンルもレゲエの時もあればジャズ、ロック、エレクトロの時もあって。日本でも、音楽聴きながら1泊かけて沖縄行くとか、奄美大島行くとか、いつかやりたいんですけどね。

主催者に聞く、今年の見どころは?

GREENROOM FESTIVAL'18 ラインナップポスター

―2018年のラインナップは現在追加発表中ですが、今年の見どころを教えてください。

なんと言っても見てほしいのはSublime With Romeですね。若い頃、「Santeria」を聴きながらコロナビール飲んでビキニの女の子を眺めるっていうのは原体験でしたからね(笑)。個人的にもSlightly Stoopidの作品のライナーノーツを書いたり、Sublimeのトリビュートアルバムにコメント書いたりもしてたから、すごく思い入れがあるし、フェスを始めた時からオファーし続けてきたバンドでもあるので、出演が決まった時は本当にうれしかったです。14年目にしてやっと手が届いたなって。

―"レゲエの神様"Jimmy Cliffも来ますね。

そうですね。ジミーは一番好きなレゲエのアーティスト。前回出てくれた4年前のライブも神がかってましたね。2年間ほど交渉はしてたんですけどここのところ体調が悪くて難しくて、やっと体調も戻って今年はワールドツアーすることになって、その日本での公演にうちを選んでくれたこともうれしかったです。

―Jimmy Cliffが例えばフジロックに出るのと「GREENROOM FESTIVAL」に出るのとでは、ライブの雰囲気やセットリストが少し変わってくるんじゃないでしょうか。邦楽アーティストもフェスのムードに合わせたステージを用意してくる印象があります。

確かに。うちのフェスは平均年齢層が30代で、他のフェスより高めだと思うんですよ。それに東京や神奈川に住んでいるお客さんが一番多いこともあってみんな耳が肥えてるし、そういうところは音楽的にも反映されてる、アレンジ含めてアーティストも考えてきてくれてると思います。

写真: 釜萢直起氏

―オーガナイザーとして「GREENROOM FESTIVAL」を今後どうしていきたいと思っていますか? これからの展望と理想形を聞かせてください。

方向性としては、みなとみらいともっとガッチリ手を組んでやっていきたいですね。やっぱりフェスには余白っていうか、寝転がれるところだったりいろいろな場所が必要で。そういう意味ではみなとみらいの海沿いにまだ公園はたくさんあるし、去年から新設したPORT STAGEがあるMARINE & WALK YOKOHAMAのエリアなども広がってるので、場所とうまく組みながら広げて「SXSW」みたいに街を回れるような形で作っていけたらなと。そのほうがいろんな楽しみ方ができるし、1カ所に何時間も固まってるって窮屈だと思いますから。

また「GREENROOM FESTIVAL」は2015年からハワイでもやっています。海を渡ってハワイまでは行けたので、最終的にはカリフォルニアでやりたい。僕が見たルーツ、「Moonshine Festival」の開催地に戻っていきたいっていう思いは強いですね。

釜萢 直起(かまやち なおき)
株式会社グリーンルームCEO。1973年東京生まれ。町田市で育ち、中学生の時にサーフィンやスケートボートと出会う。日本の大学へ進学するも、サーフィンを諦めきれずオーストラリアへ留学。サーフィンと旅の生活を送る。帰国後、広告代理店勤務を経て、1999年に独立。株式会社グリーンルームを設立し、サーフブランドのブランディング業を主軸に、イベント業やギャラリー、カフェの経営、映画の配給などに携わる。

Text:鳴田麻未
Photo:Festival Life

GREENROOM FESTIVAL'18

日程:
2018/5/26(土) - 5/27(日)
場所:
神奈川 横浜・赤レンガ地区野外特設会場