フェス最終日にはもう翌年の開催がアナウンスされ、年末年始には次々とSNSでラインナップ/目玉アクトが発表、早割のチケットを求めて争奪戦が繰り広げられるなど、世界的にそのサイクルが早まりつつあるフェス事情。ここ日本でも、「SUMMER SONIC 2018」(以下、サマソニ)と「SONICMANIA 2018」(以下、ソニマニ)が例年より約1ヶ月も早く出演アーティスト第1弾を発表したばかりです。

いよいよ2月には、「FUJI ROCK FESTIVAL '18」(以下、フジロック)も動きがありそう......。ということで今回は、徐々にカードが出揃いつつある海外フェスのラインナップや動向も踏まえつつ、サマソニ&ソニマニの見どころをご紹介。そして、気になる「フジロック」の出演アーティストを大予想してみたいと思います!

「サマソニ」のヘッドライナーは、日本でも根強い人気を誇る2組

ベック 「アップ・オール・ナイト x DAOKO」

ここ数年はファレル・ウィリアムス、アリアナ・グランデ、あるいはカルヴィン・ハリスといったポップ寄りの大物アクトが目立った「サマソニ」ですが、今年は、ベック&ノエル・ギャラガーという、日本でも90年代から根強い人気を誇る2組がヘッドライナーに選ばれました。

ベックは2001年の第2回目の「サマソニ」から実に17年ぶり、いっぽうノエル・ギャラガーは2005年にオアシスとして出演以来13年ぶり(もちろんソロでは初登場!)のカムバックということで、名曲に次ぐ名曲でスタジアムが大合唱に包まれることは間違いないでしょう。また、昨年の武道館公演も記憶に新しいベックは、日本人ラップ・シンガーのDAOKOとのコラボ楽曲「UP ALL NIGHT x DAOKO」も話題になったばかり。フェスならではのナマ共演にも期待できそうです。

欧米のトレンドを押さえるなら、このアクトを見逃すな!

マストドン 「カール・オヴ・ザ・バール」

過去にはどこよりも早くアークティック・モンキーズやビヨンセをヘッドライナーに抜擢するなど、欧米の音楽シーンのトレンドを的確に押さえてくれる点も「サマソニ」の強み。やはり、昨年惜しくも交渉が実らなかったというシカゴのヒーロー、チャンス・ザ・ラッパーが1年越しの初来日を実現するのは事件でしょう。NYの「The Governors Ball」をはじめ、世界中のフェスで堂々たる大トリを努めた彼のエンタメ精神あふれるステージは必見です。

また、ポスト・アリーヤと称されるR&Bシンガーのケレラがこのタイミングで見られることも嬉しいですが、個人的にはグラミー賞ノミネート常連のスーパー・メタル・バンド=マストドンも見逃せません。超絶テクに裏打ちされた複雑怪奇な曲展開と、一発で記憶に刻まれるキャッチーなメロディが融合した彼らのパフォーマンスは、思わず拳を突き上げたくなるほど楽しいですよ!

インダストリアル・ロックとシューゲイザーの二大巨頭が「ソニマニ」に初出演!

ナイン・インチ・ネイルズ 「オンリー」(Live: Beside You In Time - explicit)

ベック&ノエル・ギャラガーを凌ぐサプライズだったのが、「サマソニ」前夜に開催されるオールナイト・フェス「ソニマニ」のラインナップ。昨年3年ぶりにライヴ復帰を果たしたインダストリアル・ロックの重鎮=ナイン・インチ・ネイルズ(以下、NIN)は、2009年の活動休止前に「サマソニ」のマリンステージに出演し、ゲリラ豪雨と雷さえも演出に変えた伝説のライヴでオーディエンスの度肝を抜きましたが、今回は屋内ステージのため天候の心配はありません。

そして欧米の音楽メディアもトップ・ニュースで取り上げたのが、"シューゲイザー"と呼ばれる音楽ジャンルの筆頭格、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(以下、マイブラ)の出演でした。昨年末、バンドのリーダーであるケヴィン・シールズがアイスランドで開催されたフェス「Norður og Niður」で激レアなソロ・セットを披露したばかりですが、マイブラとして5年ぶりの新作が噂される中での久々のパフォーマンス。それも、現時点では「ソニマニ」が唯一のライヴ予定となっていることから、海外のシューゲイザー・ファンも多数駆けつけるはず。世界でいちばん早くマイブラの新曲が聴けるのは、我々日本のファンなのかも?

欧米で再活性化を見せつつあるロック/バンド・ミュージック

エミネム 「ラップ・ゴッド」

毎年4月に開催される米最大のフェス「Coachella」が、ウィークエンド、ビヨンセ、エミネムの3組をヘッドライナーに指名しました。ビヨンセは昨年双子の出産のため出演をキャンセルしたのでそのリベンジとなりますが、史上はじめてロック系のアーティストがトリに不在ということで、現在のポップス、R&B、ヒップホップの強さを思い知らされたという音楽ファンも少なくないでしょう。

とはいえEDMのムーブメントも落ち着いた今(「ソニマニ」の顔ぶれの変化を見ればわかるように)、生演奏であらゆるシチュエーションに対応できる"バンド"の底力が見直されつつあります。現時点でラインナップが発表されている「Boston Calling」や「Bonnaroo」といった巨大フェスのポスターを眺めてみると、エミネムが圧倒的な存在感を見せる中で、キラーズ、ジャック・ホワイト、ミューズ、そして昨年の「フジロック」でもオーディエンスを沸かせたクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(以下、QOTSA)といった、ロック系のアーティスト/バンドが大文字でしっかりとフィーチャーされています。

ザ・キラーズ 「The Man」

個人的にも興味深いのが、スペインのフェスの攻めっぷり。マドリードで7月に開催の「Mad Cool」は、パール・ジャム、ジャック・ホワイト、デペッシュ・モード、QOTSAという超硬派&豪華なヘッドライナーで固めており、ポスターの2列目以降も他のフェスならトリ級のアクトがずらっと並ぶことから、わずか3回目にして「2018年最強のラインナップ!」とSNSでは大絶賛、通し券のチケットが早くも完売しました。また、ビルバオで開催の「Bilbao BBK」には、昨年の「フジロック」で素晴らしいステージを披露したゴリラズやザ・エックス・エックスらが顔を揃えていますし、アーティストからの支持も厚いバルセロナの「Primavera Sound」の動向も気になるところ。

スペインと同じイベリア半島に位置するポルトガルの「NOS Alive」には、パール・ジャムやスノウ・パトロール、フランツ・フェルディナンドといった「Mad Cool」と共通するアーティストも多く、こちらも通し券はすでに完売。シカゴの人気フェス「Lollapalooza」が南米でも開催され人気を博しているように、ロック再生のカギはラテンの国が握っているのかもしれません。

振り返ってみれば、昨年の「フジロック」もゴリラズ、エイフェックス・ツイン、そしてビョークと「非ロック」的なアーティストがヘッドライナーを務めていましたが、2018年は再びロックがその存在感をアピールするのでしょうか?

次ページでは、今年の「フジロック」のラインナップを大予想します!

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